価値観を大切にする男
こんにちは、滝口夫婦です。
以前Grand Flowの会員だった男性・牛山さん(仮名)から、
「ぼくのこと、小説にしていいですよ(笑)」
と言われたので、牛山さんの婚活の紆余曲折を土台に、
こんな小説を作成しました。
***
価値観を大切にする男
牛山さんはよく言う。
「僕はね、外見とか年齢とか気にしないんです。価値観さえ合えば、誰でもいいんですよ」
それは会社の飲み会でも、マッチングアプリのプロフィール文でも、必ず添えられている決まり文句だった。
同僚たちは「理想的だね」と言い、女性たちは「柔軟な人ね」と好印象を持つ。
だが人に紹介されて実際に会って話すと、牛山さんは首をかしげる。
「うーん、趣味が違うかも。映画はちゃんと字幕で見るタイプがいいんです」
「犬好きなんですか。僕は猫派なんですよね」
「なんでコーヒーに砂糖入れるんです? 本物の味が分からない人とは…」
そして数日後には、
「価値観が合わなかったので」と丁寧なメッセージを送って終わりにする。
ある日、牛山さんはAI婚活サービス「マッチ・オントロジー」を試すことにした。
自称・哲学的アルゴリズムを使い、人間の“価値観”を数値化するという。
彼は細かく条件を入力した。
「動物は猫派、映画は字幕、コーヒーはブラック、朝は静かに新聞を読むタイプ。
行列に並ぶのが嫌いで、でもトレンドには遅れたくない。
食事は和食中心で、でもパクチーは少しだけ許せる…」
牛山さんは自分のありとあらゆる価値観をすべて入力した。
Enterキーを押すと、AIは静かに処理を続け、画面に結果が表示された。
《あなたと価値観が100%一致する人物が見つかりました》
牛山さんは胸を高鳴らせながら、マッチング相手の名前をクリックした。
そこに表示されたのは――
「牛山さん、あなた自身です」
画面の隅には小さな注意書きがあった。
《理想の相手が自分自身である確率:統計的に非常にまれ》
牛山さんは苦笑した。
「まあ、確かに一番価値観が合うのは僕しかいないか」
数分後、彼はふと思いついて、AIにメッセージを送ってみた。
「あなたの価値観は、僕と合いますか?」
AIは一瞬、返答をためらったようだった。
だが次の瞬間、スクリーンに冷ややかな文字が浮かんだ。
《私はあなたの条件には合いません。私は眠らず、猫も飼わず、コーヒーも飲みませんから》
牛山さんは深くため息をついた。
それから、ブラックコーヒーを一口。
――やはり少し、苦すぎた。
***
ちなみに、牛山さん(仮名)は今はすてきなパートナーを見つけて
楽しく過ごしています!
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